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かかこうしゅ

中国の怪談(二)

田中 貢太郎

田中貢太郎『中国の怪談(二)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:荷花公主、陳宝祠、虎媛、蘇生、義猴記、瞳人語、種梨、嬌娜、陸判、酒友、蓮香、阿宝、胡氏、竹青、黄英、青蛙神、続黄梁、西湖主、劉海石、竇氏、水莽草。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,926 字 · 225 页

青空文庫

「持ってるなら、それを食えばいいじゃないか」

そこで道士が言った。

「わしが食わないのは、佳い梨だから、この核をとって種にしたいと思ってたからだよ」

道士はそこで一つの梨をとって啗ってしまって、その核を手に把り、肩にかけていた鋤をおろして、地べたを二三寸の深さに掘り、それを蒔いて土をきせ、市の人たちに向って、

「これに灌ける湯がほしい」

と言った。好事者が路ばたの店へ往って、沸きたった湯をもらってきて与えた。道士はそれを受けとって種を蒔いた所にかけた。皆がふしぎに思って見つめていると、そこから曲った芽が出てきて、しだいに大きくなり、やがて樹になり、枝葉が茂り、みるみる花が咲き、実になったが、その実は大きく芳がよく、それが累々として枝もたわわになったのであった。

道士はそこでその梨を摘みとりながら、側に観ている人たちに与えたので、実はみるみるなくなってしまった。すると道士は鋤をもって樹を伐りはじめ、しばらく丁々とやっていたが、やがて断れたので葉のついたままの樹を肩にしてしずかに往ってしまった。

初め道士があやしい法術をおこないかけた時、村の男も皆の中に交って頸をながくして見ていたので、あきないに往くことも忘れていた。