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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
そしてマッカーサーは巧くやっているかと、まるで自分の叔父さんみたような口をきいていた。
それよりも驚いたのは、タクシーに全部無線電話がついていることであった。動き出す前に運転手が送話器をとって「どこどこへ行く」というようなことをいう。すると向うからすぐ返事がきて、これは拡声器から出る。「一体それは何かね」ときくと、「オフィスに通知するのさ」と、少しけげんな顔で答える。きっとひどい田舎者がきたと思ったにちがいない。
市街に着いてみたら、アラスカ航空会社と、ノース・ウェスト会社との出張所同士で、話は簡単に決っていた。しかし今日はもう便がないから、明日にするより仕方がない。それともチャーター(ハイヤー)で行くかときく。とんでもない話である。飛行機を一台借り切って、フェアバンクスまで飛ばすなどということは、夢にも考えていなかったので、初めは意味が分らなくて、へどもどした。もちろんアンカレージに一晩泊ることにしたが、今はホテルはどこも満員で、ちょっと見込がないという話であった。それでもう御馴染になったタクシー君に、どこでもよいから何とかしてくれと頼んだ。そしたら名前だけは、メルローズ・ホテルという立派な名前の家へ連れて行ってくれた。