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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
シベリアの氷の平原を開発することを一つの使命としたソヴィエトの科学者たちは、勿論永久凍土層の研究にも十分な力を注いだ。農耕は勿論であるが、鉱業にも土木にも、凍土の上に人間の営みをするには、その凍土の性質を知らなくては、どのような施設も安全には出来ないであろう。
その研究は永久凍土地帯の分布の調査から始められた。そして非常にはっきりした話であるが、その分布区域は、一年中の気温の平均が零度以下である区域と、ほぼ一致するということが分った。気温の年平均が零度である線は、ちょうど北満の奥地を通っているので、旧の東支鉄道の北辺には、この永久凍土地帯が存在するのである。
満鉄ではその点に早くから着目して、数年前ハイラルのずっと北方、大黒河に近い所に研究所を作って、永久凍土層の研究に着手したそうである。いい塩梅に、こういうほとんど無人の境で、極寒の北風と闘いながら冬を越すことが好きだという地質学者がいて、その研究者の努力によって、北満の永久凍土層の性質もだんだん分ってきた。
凍土地帯に市街地を建設するにしても、鉄道を敷くにしても、第一に問題になるのは水である。