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アラスカのひょうが

中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页

青空文庫

そしてこの隠された要素が、どうも大気中の極微な塵ではないかと思われてきた。

塵といっても、非常に小さいもので、顕微鏡ではもちろん見えず、電子顕微鏡でも、やっと見えるか見えないかという程度である。このうちのごく小さいものは、直径が一ミリの百万分の一程度であって、塵というよりも、分子の集まりといったほうがいいくらいのものである。こういう微粒子が、大気中にたくさんあることは、前から気象学のほうではわかっていたので、凝結核と呼ばれていた。

この凝結核が芯になって、雲ができたり雨や雪が降ったりするので、気象学のほうでは、これは重要な問題である。この方面の研究は、近年著しく進歩して、その性質が、かなりよくわかってきた。したがって大気中からこういう極微の粒子までとり除くこともできるようになった。それで凝結核をとり去った「純粋な空気」を作り、それを低温室に設置した人工雪の装置へ送って、その中で雪の結晶を作ってみた。そしたら結晶の形がまるでちがうという意外な結果が得られた。したがって、どこか世界中でいちばん空気のきれいなところを選んで、そこに降る雪の形を調べてみることが、必要になってきた。