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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』。同一底本的分册已合并为一书。收入:アラスカの氷河、永久凍土地帯、黒い月の世界、白い月の世界、満洲通信、アメリカの旅、アラスカ通信、ウィネッカの秋、ウィネッカの冬、ツンドラへの旅、ネバダ通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 122,039 字 · 248 页
これだけでは、今のところなんともいえないが、天文学の方面での流星の研究がさらに発達し、陸地の上での宇宙塵や流星球の研究がもっと進めば、地球の歴史を一千万年くらい前まで遡れそうだというのが、ペターソン先生の意見である。深海の底土、五メートルの深さのところまで、流星球の存在がたしかめられたので、とにかく手がかりは、これで得られたわけである。なかなか巧くは行かないかもしれないが、それにしても、太平洋の海の底で流星をつかまえる話は、ちょっとたのしい話である。
ペターソン先生は、この問題にひどく熱心で、陸地上に於ける宇宙塵の研究に、自分で乗り出した。もう始めてからだいぶたつらしいが、この研究でいちばん困るのは、地球上にできた塵との区別が困難な点にある。じつはハワイ大学で、今度新しく地球物理学の研究所をつくる案がある。その予算を検討するために、私たちの滞在中、ワシントンのボスたちが大勢で、実地視察にヒロへやってきた。ペターソン先生も、その一行に加わっていた。その時、この山の空気の話をしたら、非常に喜んで、六十八歳の老先生が、集塵器を抱えて、自分ひとりで、山へ登ってきたのである。