轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まるのうち

丸の内

高浜 虚子

「東京日日新聞」1927(昭和2)年3月15日~31日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,875 字 · 46 页

青空文庫

時には飛行船も来ることがある。魚とも鳥ともつかぬようなものが、すぐ丸ビルの屋根の上近くを過ぎていることがある。

蚤もおらぬ、蚊もおらぬ。併したまには蠅が一匹いることがある。七階の上層に蚊は飛んで来ないが、蠅は下界から飛んで来たのであろうか。地下室の食堂の野菜の洗場がここから見える。何だかきたなそうな模様であるが、あの辺から蠅が天上して来るのか。それとも人の背にとまってここまで来たものか。尤もそれも長くはいない。一日二日居ってもう居なくなる。

鼠がいたのに驚かされた。それは私の部屋では無い。八階に用事があって七階の階段を上っていると、瓦斯の鉄管の後ろの方に、隠れ顔に大きな鼠がいた。すべて白く塗ってある鉄の壁の中にどうして隠れ場所が見つかろう。かれはまご/\してその鉄管のかたわらを上ったり下ったりして、途方に暮れている容子であった。私は珍しくて暫く眺めていたが、鼠も長い尾を上げたり下げたりして、私の方を眺めているばかりで、果てしが無いのでそのまま八階に上って行った。

一階の森永の男が三、四人表に出て、頻りに大地をぶっているので何事かと見たら、鼠とりにはいっている鼠をそれから出して逃げる所をものでぶつのであった。