轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
その気でどこへでも踏みこんでゆくのだから、お付きの者は人知らぬ気苦労をしなければならないので、いつもおしのびを仰せ出されると、みなこそこそいなくなったり急に腹痛を起こしたりするのがつねだった。
伊吹大作は人が好いので、ほかの者に代りを押しつけられてたびたびお供をしているうちに、根がお気に入りだけに、このごろでは市内巡視には必ず大作がおつき申し上げることにいつからともなく決まってしまっているのだが、これがなかなか大汗もので、さすがの大作、正直なところ迷惑しごくと腹の底でこぼしている。
ことに今日!
ところもあろうに浅草の市なぞへおみ足が向こうとは思わなかった!
と大作、人浪に押し返されて、くるしまぎれに恨んでいるが、この大作の心中には頓着なく、忠相は身体を斜めにしてどんどん進みながら、つと眼についた一軒の仮店に首をつっこんで、
「ふむ。海老がある」
「へい。ございます――本場物で」
「本場……と申せば、伊勢か」
「へえ、へえ、伊勢の上ものでございます」
これを聞くと越前守忠相、山田の時代がなつかしかったものか、やにわにうしろを向いて呼ばわった。
「大作! 来て見い。