轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
01 乾雲坤竜の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 页
暗い空気が揺れうごいて、弥生の顔をあおった。
「いや! たとえわたしの先祖が鍛ったところで、いまは、刀はあくまでも小野塚家のもの、わしとてもそれに、指一本触れようとは思い申さぬ。が、ただ、その乾坤二刀の柄の内部に秘めらるる孫六水火の秘文状それだけ……それだけは、所望でござる! この老骨の命を賭しても!」
「ごもっとも! 伊織、心得ましてござりまする」
と弥生は、話が固くなるにつれて、またもや本性の女らしさが徐々に消えて、この日ごろ慣れている男の口調に返るのだった。
関の孫六の後裔、得印老士兼光の低声が、羽虫の音のようにつづいてゆく。
「当今、新刀の振るわないことはどうじゃ?」
いきなり、老人はこう吐き出すようにいって、眉をあげた。
「御治世のしるし津々浦々にまでいきわたって、世は日に月に進みつつあるというが、刀鍛冶だけは昔の名作にくらぶべくもない。本朝の誇りたる業物うちの技能、ここに凋落の兆ありといっても過言ではあるまい。なんとかせねばならぬ! 古法の秘を探り求めるか、みずから粉骨砕身して新道をきりひらくかせぬことには、鍛刀のわざもこれまでである――こう思ってわしは寝る眼も休まず勤労して来たものだが、菲才はいかにしても菲才で、恥ずかしながらいまだ一風を作すところまで到らぬうちに、それでも、どうやらこうやら祖師孫