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じじつにたって

事実にたって

宮本 百合子

一月六日アカハタ「火ばな」の投書について

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,065 字 · 5 页

青空文庫

はなしはちょっとさかのぼるが、一月六日アカハタ「火ばな」に「宮本さんの話」という投書があった。一月も六日といえば、選挙闘争に本腰がはいって、その日の紙面もトップに田中候補が信州上田で藤村の「破戒に学ぼう」と闘っているニュースをのせ、四日には「新春いろどる新入党」と作家・芸能人の入党記事はなやかだった。すべての記事が選挙闘争めざしてプラスに統一されているなかに、なぜポツンと「火ばな」が、ああいう投書をのせなければならなかったのだろうか。奇異なことであった。

選挙後、三百万票を得た党は、文化面でもひろく力を結集して文化反動とのたたかいに動きはじめた。あの投書は文学運動全体にもかかわりをもっているから、病気のために少しおくれたがこの際、一党員作家として、「宮本さんの話」はきいているうちはわかるが結局無内容で、小説は評判ほどよまれていない、むずかしい、わからないとされているあの投書について、事実を明らかにしておくべきであると思う。

投書にある十二月二十五日の講演会は政治と文学をテーマとして神田・中央大学に開かれ聴衆二千ばかりだった。そこでわたくしは、今日、日本に生きているファシズムについて話した。