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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
思わず赤くなると、やんやとはやすものもいた。子どものくせに、と思ったが、肩をすかさずに答えた。
「そうなの。ごめんなさい。ごはん食べれないから、こんなにやせたんだもん、少し元気になってからくるわ」
そのときからの欠勤だった。休むと宣言したとき、だれよりも心配そうな顔をしたのがやはり早苗だったことなど思いだし、六年前の写真をとりだしてみた。十三枚焼きましをしておきながら、なんとなく渡しそびれてそのままになっている写真は、袋のまま写真ブックのあいだにはさまっていた。あどけない顔をならべている中で、小ツルはやはりいちばん大人っぽかった。このときからずぬけて背も高い小ツルは、今ではみんなより二つほども年上に見えた。おかっぱか横分けにしている中で、彼女ひとりは支那の少女のように前髪をさげて、ひとり大人ぶっているのだ。マスノが岬の道づれでなくなってから、彼女はひとりいばっているふうであった。高等科をおえると産婆学校にゆくのが目的なのも、おませな彼女につわりの興味をもたせたのかもしれない。
岬の女子組では、あとに富士子が一人いるが、彼女の方向だけはきまっていなかった。