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じんせいみっつのたのしみ
人生三つの愉しみ
「新潮 第四八巻第四号」1951(昭和26)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,953 字 · 16 页
すると、私の場合、胃が重かったり、鼻汁が流れこんだりすると、自然に体内にアセトアルデヒドを蓄積するような体質でもあろうか。私はこの鼻汁が実に苦手で、神経科の先生にも何度も訴え、その先生は耳鼻科の専門医に診せて下さったが、どうしても、なんでもないとの診断である。しかし、私の友人で、私と同じように鼻汁のために酒をのむと吐き気に悩みつつある人を現に二三知っているから、私はこの鼻汁は実に曲者だという考えをどうしても忘れられないのだが、どなたか耳鼻科の専門医で、こういう経験をお持ちの方はいないものかナ。
この鼻汁は、私にとっては万病の原因である。なぜなら、酒がのめなくなると、睡眠がとれなくなり、自然に精神統一や、長時間の注意力の持続ができなくなって、いろいろと妙なことになるのである。だから、私にとって、十二月、一月、二月ごろが年々最悪の期間で、仕事もはかどらないし、甚しく浮浪性が頭をもたげ、気まぐれで短気になって、我ながら手に負えない自分を感じだすのである。
いかにして無事一定量のアルコールを胃袋におさめるか、ということは私の日々の一大念願である。欲する時に酔って眠れればよろしいのだ。