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じんせいあんない
人生案内
「キング 第三〇巻第一一号」1954(昭和29)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,201 字 · 21 页
二人の子供を抱え、無一物の中であせらず慌てず人生案内に没頭しているバカらしさ薄汚さ、どうにも次第に薄気味わるくなるばかりで、わが家に近づいてシキイをまたごうとするとゾオッと寒気がする。
雑種の犬か青大将が義理立てするばかりとはまことに名言で、お竹も内々甚しく同感せざるを得なかった。なにもこう得意になってウチの亭主がとか云ってるわけではない。有るものを無いとも云えずウチに宿六が待ってるからと云っただけの話だ。ヤスやセツに非難されてみると、なんとなく解放感を覚えた。
「誰に自慢できる宿六でもないけれど、行きがかりだからやむをえないわよ。私もちかごろ宿六の生やしはじめた鼻下のチョビヒゲを見ると胸騒ぎがしてね。カアッと頭へ血が上ったりグッと引いたりするのよ。これにこりたから、今度の彼氏はギンミするわよ」
お竹もすっかり人間が変った。
怠け者の亭主をもって苦労した女が働きにでて陽気でゼイタクな世界に身を入れたが最後、再び暗い自分の巣へ戻れなくなるのが自然である。亭主たるものドン底の貧乏ぐらしをした際には決して女房を働きにだしてはならぬ。
貧乏すればするほど自分一人が歯をくいしばって働きぬいて女房子供を守るべきものだ。