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じんぞうにんげんじけん
人造人間事件
海野 十三
「オール読物」文藝春秋、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,654 字 · 30 页
博士殺害の手段は、ようやく朧気ながらも見当がついて来た。
「さあ、誰が号令したのだろう」
係官は鳩首協議した。
「この上は、関係者を全部検挙して、そのアリバイを確かめるより外ありませんネ」
と大江山は云った。
そのとき帆村探偵は、部屋の片隅に腰を下して、例の暗号表を幾度も熱心に読みかえしていた。
5
その翌日の午後、帆村探偵は雁金検事のもとへ電話をかけた。
「いやあ、昨日はどうも、いかがです、博士殺しの犯人は決まりましたか」
「ウン、決ったとまでは行かないんだが、重大なる容疑者を捕えて、今盛んに大江山君が訊問している」
「それは誰ですか」
「ウララ夫人だよ」
「えッウララ夫人? 夫人はとうとう捕ったのですか。どこに居たのですか」
「なあにサンタマリア病院に入院していたのだよ。別に大した病気でもないのだがネ」
「するとあのジョン・マクレオは怪しくないのですか」
「マクレオは午後二時から午後九時半までずっと病院にいたことが分った。あの外人の現場不在証明は完全だ」
「そうですか。馬話丈太郎も完全なのでしょう」
「そうだ。あの男は放送局に居たことが証明された。結局残るのはウララ夫人と、耳の聞えないばあやの二人た。