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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
この横田という男は横暴の極同級生さえ撲っていたのであった。そして寄宿寮では美少年たちを脅やかしては弄んでいた。
リンチは私の目の前で行われた。
初め昼食後の休み中吉本君は校庭に横田君を呼んで、
「皆が君をストライキするというがどうする?」
と言った。彼は木刀を懐にしていた。
「止むを得ん」
と横田は答えたが顔色は青かった。
吉本君はいきなり木刀で横田君の頭を打つと、
「みんな来い来い」
と招いた。たちまちにして方々から同級生たちの姿があらわれ、横田君は仆されて、頭を抱えて地上に横たわり、皆がとり囲んで足蹴にした。その中にはいつも柔和な人たちの顔も見えた。
横田君の仲間の数名の寮生も同時にリンチされ、これはほうほうの体で寄宿寮に逃げ込んでしまった。
生徒監たちは駈けつけたが手が付けられなかった。
リンチが終ると、その級の人たちは、「皆講堂に集まれ集まれ」
と呼び廻った。そして全校生徒は校当局からのふれの如くに、講堂に集まった。
吉本君はどもりであったが、壇上に立って、今日横田をリンチした理由を述べて、反対の者は言えと言った。
反対を申し立てるものは無かった。