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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
「いのち」1937(昭和12)年2月号から連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 页
少年は時々首を私の胸にもたせかけた。
「今夜はとても僕嬉しい」
ややあって少年がつぶやいた。
「うむ。僕も……」
私はそう言ってしまった。そして少年の肩に手をまわした。
夕顔の棚のある灰小屋のようなものの前に出た。二人はふらふらとその中に入って行った。麦藁が一ぱい散らばってる上に私たちは座った。
二人ともものを言わなかった。
私は少年の息づかいを感じた。
がそれは半ば誇張されたものだった。しかし青春の血のためにはそれは醜い感じはしなかった。
私はしかし又身体が硬くなった。
私はやがて少年の手が私の体を巻くのを感じた。そして私は半ばそうしなくては、男性として意気地なしだと感じながら、少年を抱いた。やわらかな弾力のある肢体がそこにあった。
数分間がそのまま過ぎた。
と少年は私の首に両腕を捲いて、顔をさし寄せ唇を、押し当ててしまった。
初めての感覚。私は盗んだ気はせず、盗まれた気がした。何故なら私はその期に臨んでも、少年の純潔が信じられなかったから。しかしそれにもかかわらず、尾道時代と異なり、私の生理的の感覚はもう全く目ざめてしまってるのを感じた。
家へ帰ってから私はぼんやりしていた。