轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばけいちょう
化銀杏
泉 鏡花
「文芸倶楽部」1896(明治29)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,197 字 · 54 页
たとい芳さんと私とが、どんなに潔白であッたからっても、世間じゃそうとは思ってくれず、(へん、腹合せの姉弟だ。)と一万石に極っちまう! 旦那が悪いというでもなく、私と芳さんが悪いのでもなく、ただ悪いのは世間だよ。
どんなに二人が潔白で、心は雪のように清くッてもね、泥足で踏みにじって、世間で汚くしてしまうんだわ。
雪といえば御覧な、冬になって雪が降ると、ここの家なんざ、裏の地面が畠だからね、木戸があかなくッて困るんだよ。理窟を言えば同一で、垣根にあるだけの雪ならば、無理に推せば開くけれど、ずッとむこうの畠から一面に降りつづいて、その力が同一になって、表からおすのだもの。どうして、何といわれても、世間にゃあ口が開かないのよ。
男の腕なら知らないこと、女なんざそれを無理にこじあけようとすると、呼吸切がしてしまうの。でも芳さんは士官になるというから、今に大将にでもおなりの時は、その力でいくらも世間を負かしてしまって、何にも言わさないように出来もしようけれど、今といっちゃあたッた二人で、どうすることもならないのよ。
それとも神様や仏様が、私だちの手伝をして、力を添えて下さりゃ可いけれど、そんな願はかなわないわね。