轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なんきんむしさつじんじけん
南京虫殺人事件
「キング 第二九巻第五号」1953(昭和28)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,660 字 · 26 页
麻薬を扱うこともある。どこの何者とも分らないが、仲間の間ではミス南京とよばれている。当局はようやくスパイをいれることに成功して、ミス南京の存在までは突きとめたが、密輸のルートはおろか、ミス南京の住居も名も分らないのだ。
ところが殺された奈々子の屍体のかたわらから、ミス南京の謎を解いてくれるらしい多くの重大な物が現れたのである。
奈々子は腕に麻薬を注射して殺されていた。和服姿で、すこしも取り乱したところなく、眠るように安らかに死んでいる。盗品がなければ、むしろ自殺と考えられるような死に方であった。
ところが、奈々子の屍体を調べた警察医はビックリして思わず声を発したほどだ。奈々子の腕といわず股といわず無数の注射の跡で肉が堅くなっているのだ。麻薬の常習者であった。押入の中からは、それを証拠立てるモルヒネのアンプルが多数現れた。
たぶん二人の犯人は、奈々子に麻薬を注射してやると云って、より強烈なものを注射したのだろうと考えられた。しかし、波川巡査はそれを疑った。
「なるほど奈々子は二人の男を内輪の者だと云いはしたが、玄関で睨み合って口論していた見幕では、とても男に注射をさせたり、男の目の前で自身注射することすらも、ちょッと考えることができないなア」