轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原民喜『原民喜戦後全小説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:遥かな旅、吾亦紅、忘れがたみ、翳、曲者、西南北東、昔の店、雲の裂け目。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,577 字 · 124 页
南瓜
花が枯れて行くに随って香りも錆びてゆくのであった。
新しい花を求めてまた花屋に行った。近頃花屋にも花は乏しく、それに値段は驚くほど高くなっている。しかし、大輪の黄菊と紅白のカーネーションなど掌に持ち歩いていると、年寄の女など嘆声をあげて珍しがるのであった。
南瓜
寝ていて見える半間の窓に這い登っていた南瓜は、嵐で地面に叩き落されてしまった。後にはよごれたトタン塀が白々と残されていた。折角あれが見えるのを娯しみにしていたのに、と妻は病床で喞った。
木戸の方に這っている南瓜には、しっかりとした実がついた。その実はどの位の大きさになったかと妻はよく訊ね、私は寸法を計っては病床に報告した。
ある日、信州にいる義弟から南瓜の菰包を送って来た。開けてみると、稍長目のもの、球形のもの、淡い青に白く斑点の浮出たもの、僧に似た褐色のもの、形も色も珍しく、畳の上に並べてみたが、どう並べてみてもしっくりと落着くのであった。
私は家に成っている一つを捩ぎとって、そのほとりに並べた。妻はうれしげにしげしげ眺めていたが、隣の奥さんを呼んで来てくれと云う。やがて隣の細君の姿が現れると「いずれ煮いて食べる時には少しずつお頒けしますよ」