轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆうじょうにかんけいあるエッセイ
友情に関係あるエッセイ
戸坂 潤
「改造」1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,236 字 · 17 页
そういうトリチェリーの真空の説である。この妄想は多分に神秘的だ。なぜと云うに之を充分合理的に論証したり実地に実証したりすることは出来ないらしいからだ。併し文化の空気が交替し、文化の重力の場が交替したらしいと云う限りでは、健全な常識だろう。ただそのために、私の友人達に博士が沢山一遍に出来たなどと云うから、神秘的幻想になるのだが。
併し地獄に降ったダンテが、地心に刺きささったルシフェルの側腹を潜り抜ける時、急に眩暈がして戸迷いをしたというが、之は尤もではないだろうか。地心では恐らく重力の方向は急激に逆転するわけだ。彼が身辺に感受した戸迷いが重力の場の交換に原因することは、相当理性的なことであると云わざるを得まい。して見れば、少くとも、私のこの妄想そのものが、文化的重力の場の交替による合理的に不可避の結果であろう。
だが事実、私の例の気がかりは、妄想の性質を次第に重加して行くらしい。この病は次第に膏肓に入りつつあるようだ。何となれば遂に私は一人の親友が気がかりになり出したからである。私の関心の対象が何物であるかを示す第四の例として、不本意ながら、一つの他愛のない零細な煙のような幻想を叙べねばならぬ。