轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

「サンデー毎日」1925(大正14)年7月5日~10月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 页

青空文庫

「天晴れ見事なお腕前、それに不思議な構え方、お差し支えなくばご流名を、お明かしなされてはくださるまいか」

「へい」といったが旅人は、迷惑そうに肩を縮め、「とんだところをお眼にかけ、いやはやお恥ずかしゅう存じます。何、私の剣術には、流名も何もござんせん。さあ強いてつけましょうなら、『待ったなし流』とでも申しましょうか。アッハハハ自己流でござんす」

「待ったなし流? これは面白い。どなたについて学ばれたな?」

「最初は師匠にもつきましたが、それもほんの半年ほどで、後は出鱈目でございますよ」

「失礼ながらご身分は?」「ご覧の通りの無職渡世で」「お差しつかえなくばお名前を。……われら事は江戸表……」

「おっとおっとそいつあいけねえ」

造酒が姓名を宣ろうとするのを、急いで旅人は止めたものである。

「なにいけない? なぜいけないな?」

造酒は気不味い顔をした。

それと見て取った旅人は、菅笠の縁へ片手を掛け、詫びるように傾げたが、また繰り返していうのであった。

「へいへいそいつアいけません。そいつあどうもいけませんなあ」

造酒はムッツリと立っていた。しかし旅人はビクともせず