轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のろいのダイヤモンド
呪の金剛石
野村 胡堂
「文芸倶楽部」1928(昭和3)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,393 字 · 28 页
何方からも相当の手当が出て居るせいか、宿の亭主も最初の内は黙って居りましたが、夜半近くなると、さすがに堪え兼ねたものと見えて、特別入念の仏頂面を裏二階へ現わしました。
「もう、いいかげんにして貰おうじゃないか、冗談じゃない。一体何をそんなに探すんだね、あの空っ尻の毛唐が、金の茶釜でも隠して置いたというのかい」
「埃を立ててすまないが、もう少し我慢してくれ、一体ボイロフの泊って居た室というのは、お隣とこっちと、どれが本当なんだ」
埃だらけの汗だらけになった私が廊下へ顔を出すと、猶太鼻の亭主は、恐ろしい不機嫌な顔を半分ほど梯子段の上へ出して、
「どっちだっていいじゃないか、第一その室の中には、何んにもありはしないんだよ、夜っぴて叩いて居たって、鼠の糞と南京虫の卵が出て来るのが精々だろう」
「じゃ、聞くがネ、あのボイロフという西洋人は、もしかしたら、鳩の卵ほどの青い美しい石を持っては居なかったかネ」
「なんだ、あの石を探して居るんかい、そんなら早くそう言えば良いに。埃を立てたり汗を掻いたり馬鹿な面だ」
「じゃ何んかい、あの石の行方を知って居ると言うのかい」
隣りの室も大捜査の手を休めて、この廊下の立話に聴き耳を立てて居るようです。