轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざいがくりゆう

在学理由

豊島 与志雄

「日本評論」1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,167 字 · 21 页

青空文庫

そしてこの両者を合せ考える時、李の人柄のうちに或る恐ろしいものが浮んでくるようであった。然し矢杉にはそれがまだはっきり掴めなかった。ただ李のてきぱきした率直な言葉のなかに、彼の思想の力というようなものを感じた。そして、彼の顔から眼を外らして、沈思の気持に誘われるのだった。

お茶の水駅東口に来ると、矢杉は電車に乗るために別れようとした。その二三歩あとから、李に呼びとめられた。

「先生、吉村さんへ御紹介して下さいませんか。」

そのことを矢杉はもう忘れていた。紹介するなら手紙でも書いてやろうかと思ったが、それを止めて、聖橋の欄干の上で、名刺に簡単な文句を書きつけて、李に渡した。

二

李永泰は矢杉の名刺紹介で、吉村を訪れて来た。別に文学や文章に関する問題を提出するでもなく、ありふれた雑談だけで、而も多くは、吉村から聞かれるままに朝鮮の話などをし、一時間ばかりで帰っていった。ただ漠然たる興味で、吉村という存在を眺めただけのようだった。

それから時々、彼は吉村を訪れて来た。仕事中だと、不服らしい眼色もせず、にこにこして帰っていった。隙な時には、一時間ばかり雑談していった。