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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

戦艦一隻が、一、二分の間に見えなくなってしまったのである。……

室内では、警報ベルがしきりに鳴っている。そして入口の扉は、破れんばかりに、うち叩かれている。怪事は、果然、米連主力艦隊を大恐慌の中に抛げこんでしまった。

恫喝代行――人間でなければ彼は何者ぞ?

“ピース提督、改めて聞こう。欧弗同盟軍に対し砲門を開くかどうか”

X大使の、膝づめの談判だった。

「うむ。黒馬博士が、もうこれ以上、わが艦隊に害を加えないと約束されるなら、余は、欧弗同盟軍を攻撃するであろう」

“約束とは、何だ。約束とは、対等の位置の者に対していうべきだ。今、われは勝利者だ。貴官は、降服者だ。それを忘れてどうするのか”

「うむ――」

“貴官が「わが艦隊をこれ以上傷つけないように」と希望するならば、それも遂げられるであろう。但し、それがためには、貴官は、今言明したことを、早速実行のうえに示さなくてはならぬ”

「ええっ――」

“今、欧弗同盟の空軍の一部は、アフリカ東岸の基地を出発して、極東へ向っているが、あと十数分のうちに、貴艦隊の左舷前方から現われるであろう。よって貴艦隊は、これに対し、直ちに高角砲をもって砲撃せよ。