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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
よろしいか。そうすることを約束するなら、私は一時、退席しよう”
「やむを得ん。たしかに、余はその約束をまもるであろう」
“約束をまもらないときは、貴艦隊はどんなことになるか犠牲戦艦オレンジ号の例によって、よく考えておくがいい”
「ああ、黒馬博士。オレンジ号を、かえしてもらいたい」
“いや、それは聴かれない。全艦隊が没収されなかったことを、せめてもの拾いものだと思うがよろしい”
X大使は、そこで、私の耳に囁いていうには、
“さあ、もうこのへんで、君は引込むのがいいだろう。では元の場所へかえしてあげよう”
そういったかと思うと、私は又、きつい目まいに襲われた。そして数秒後、その目まいが去ったとき、私は再び元の三角暗礁内の一室に戻っていたが、目の前には例の怪しい姿をしたX大使が、厳然と立っているではないか。
私は、はっと夢から覚めたように感じた。
「黒馬博士。どうも、ご苦労だった。君は、なかなかうまくやってくれたので、わしは悦んでいる」
「いやあ、ご挨拶、いたみ入る」
と、私は、くすぐったい返事をした。
実をいうと、私はあまりいい気持ではなかった。虎の威をかる狐という悪口があるが、それと同じ事をやってきたのだ。