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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

まことにやむを得ないことではあったけれど。

「X大使、これから、どうなるのかね」

「どうなるって、君の心配しているのは、米連主力艦隊のことであろう。うむ、いよいよ米連側は、高角砲をもって火蓋を切りだしたよ。おお、三千機の超重爆機から成る欧弗同盟のアフリカ第四空軍は、今、異常なる混乱に陥った。おお、空中衝突だ。不意うちをくって、空軍の損害はなかなか大きいぞ。いや、陣形がかわってきた。いよいよ敵意がはっきりしたようだ。これはますますやるぞ」

X大使は、じっと直立したまま、うわごとのように観戦光景を喋った。

「すると、不測の戦闘が起ったというわけですね」

「そうじゃ。これが、開戦のきっかけじゃ。たとえ間違いから起っても、これだけの戦闘が開始されると、ついに全面的大戦争に追いこまれる筈なんだ。……いや、米連主力艦隊が苦戦だ。あっけなくやっつけられては、こっちの計算に反する。どりゃ、ちょっと、向うへいって来る」

「また、向うへいくのかね、X大使」

「そうだ。わしは、これから出掛ける。じゃあ失敬。そのうちに、また会おうよ」

「うむ。まあ、気をつけていきたまえ」

「なに、気をつけていけって。