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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

エンジンの音が、高くなったり低くなったりするのは、しきりに上陸地点を探しているのであった。

オルガ姫からは、なかなか報告が来なかった。私は、姫が故障になったのではないかと思い、

「おい、オルガ姫、お前は異常がないのか」

と、訊ねた。

「異常なしです」

「じゃあ、どうしたのか。あれから随分になるのに、まだ上陸地点が見つからないのか」

私は、自分でも、いらいらしているのが、よくわかった。

「はい。上陸地点が、どこにも見つからないのです。北は樺太までいきましたし、南は海南島から小笠原あたりまでいってみました。しかし、どこにも上陸地点は見当りませんのよ」

「それは、おかしいな。じゃあ、日本内地というものが、全然浪の上に出ていないということになるじゃないか」

私は、そんなことがあってたまるものか、と思った。

すると姫の答えは、

「いえ、そうなのです。日本のあったところは、すっかり何もなくなっています。有るのはただ洋々たる大海だけなんですわ」

「え、本当かい」

私は、胆をつぶした。日本内地の陸地が完全になくなってしまったというのだ。日本内地は、どうしたのであろう。空中へ吹きとんでしまったのか、それとも、海面下に陥没してしまったか。