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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「そうか。じゃ、引続き測量を行え。――司令、お聞きのとおりです。一向予期した海底異状がないそうであります」

と、先任参謀が、情けなさそうなこえを出した。

私は、深度計を見た。

深度計の指針は、ずっと右に傾いて、深度三十一メートル!

「ふふふ、この辺の海底は、三十メートル内外で、殆んど平らであります――か。なるほど、そのような報告では、お気の毒ながら、宝探しは無駄骨だろうよ。ははは」

私は、腹の底から、笑いがこみ上げてきた。オルガ姫は笑いもせず、あいかわらず、黙々として、配電盤の前に立っていた。

吸音器からは、また話ごえが洩れていた。

「司令、予定された地点は、もう後になってしまいました。そうです、只今、一キロばかり、行き過ぎました」

「そうか。やっぱり駄目か」

と、今度は、司令が、元気のないこえを出した。

「僚艦からも、かくべつ、ちがった報告はないんだね」

「そうであります。本艦と全く同様の結果を得ております」

「方向探知局の測定に誤差があったのかな。今まで、そんなへまをやったことはないのだがねえ」

「測定の誤差というよりも、測定方法がいけないのじゃないか」

「そんな筈はないのですが……たしかに、こっちの専門家が、苦心して三つの中継局を探しだし、確信のうえに立っているといわれたものですが……」