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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

暗礁の頂上が、磨ぎすましたように、三角の稜をつくって、上を向いているのであった。それで、三角暗礁の名があった。

付近には、妙な渦がまいていて、船舶は、魔の海として近づかない。ただ魚だけは、絶好の游泳場として、寄ってくる。

三角暗礁は、だんだん大きく見えてきた。

暗礁の中腹に横に抜ける一つの大きな洞穴がある。これは、わが潜水艦隊が、技師たちを連れていって穴をあけたものである。この洞が、安全な着船場となっていたのである。

「洞穴に、艇をつけろ」

私は、命令をした。

オルガ姫は、速い潮流に流されそうになる艇を、巧みに操縦して、暗礁のまわりを、二、三度ぐるぐる円を描いて廻っていたが、やがて、艇は吸い込まれるように洞穴の中へ入った。

洞穴の中は、真暗であった。

昼寝をしていた魚が、びっくりして、中から飛び出してきた。

洞穴は、奥行が、二百メートルばかりもあって、奥はなかなか広くなっている。そこまで入っていくと、自然に継電気が働いて、洞穴の天井に電灯が点くようになっている。

艇がこの洞穴の広間へ、舳を突込んだとき、果して、ぱっと点灯した。そして、そこに、怪奇をきわめた広間の有様が、人の眼を奪う。