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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「深度四十二、四十一、四十、三十九」

オルガ姫は、たいへんな事実を、機械的に喋っている。私の心は、ますます不安の底に落ちていった。

(なんとかして、この危機から脱出したい!)

が、私はもう敵手から、到底脱れ切れないわが運命を悟った。

(おめおめと、敵艦に収容されるのか!)

いや、断じて、そんなことはいやだ。ではどうする。自決するか、それとも……。

そのときである。一つ、思いだしたことがあった。それは、かのX大使のことであった。

X大使!

かの不思議な大使は、常に私を圧倒していたが、

(救援が欲しかったら、わしに求めるがいい。わしは、ちょっとした交換条件をもって、君たちを全面的に援助するだろう。それを忘れないで……)

と、謎の言葉を残して去ったのだ。私は今、ゆくりもなく、X大使のこの言葉を思い出したのである。

(X大使の救援を求めようか。求めるのはいいが、X大使のいった、ちょっとした交換条件とは、一体どんなことであろうか)

私は、交換条件のことが、たいへん気になったけれど、ここで敵艦に捉えられるよりはずっとましであると思ったし、死ぬのも残念なので、遂に、前後の考えなしに、X大使の救援を求める気になった。