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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

さて、救援を求めるのはいいが、一体どうすればいいのであろうか。どうすれば、X大使を呼び出すことが出来るのであろうか。

「おーい、X大使。私に力を貸して呉れたまえ」

私は、試みに、そう呼ばわってみた。

X大使の魔力――三角暗礁にもどってこられた

「黒馬博士。君は、とうとう、わしを呼んだね」

X大使の声だ!

全く不意に、私の耳のすぐそばに口をつけて囁くように、X大使の声が聞えたのであった。

私は驚いて、顔を横に向けた。だが、そこは艇の冷い鋼鉄の壁があるばかりで、X大使の姿はなかった。

「さあ、早く、君の希望をいうがいい」

声だけのX大使は、再び私に話しかけた。私は、手を伸ばして、大使の声のする空間を触ってみたくてたまらなかったけれど、なんだかおそろしくて、どうしても手は伸びなかった。

「……深度、二十九、二十八、二十七」

オルガ姫は、あいかわらず、淡々たる声で深度を数えている。わが艇は、刻一刻、ぎりぎりと音のする鎖によって海面へ吊りあげられていくのだ。

「X大使。私は、敵の捕虜になりたくないのだ。それから又、わが艇の内部を敵に見せることを好まないのだ」

「それで……」