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がいこうのほうしん

外交の方針

大隈 重信

第十囘帝國議會衆議院での演説、1897(明治30)年2月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,488 字 · 7 页

青空文庫

それで今日、私はこれに多少付け加えて御話し致そうと思います。明治の国是として現るるところの外交には、どういうことが大切であるかと言えば、維新の大詔にもあるが如く、万国と対立せんとするの大方針よりして、あらゆる国家の組織を変更しなければならぬということが起って、廃藩置県となり、幣制の改革と為り、徴兵令等その他種々の法律の改正、新規な法律を拵え、あるいは地方の議会、地方に自治を与える等、ついに憲法を制定さるるまでに至ったのであります。すべてこの国是、いわゆる開国進取、言い換えれば即ち万国と併立するという主義からして、日本は導かれ、文明に進み、ついに世界に重んぜられ、尊敬さるるということになったのであると存じます。

ここに於てマ一層私は進んで申したいと思うのは、抑々この外交というものは随分困難なるものである。決して一国で以て左右することの出来ないものである。今日の外交というものは、よほど以前とは変化しているのである。諸君、ご承知の通りに、昔の外交というものは、ある一国と一国と、もしくは一国と数国、誠に区域の範囲が狭かったのであります。然るに今日に至っては、運輸交通の便が非常に発達し、世界の利害の関係がよほど密著して来たのである。