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がいこうのほうしん

外交の方針

大隈 重信

第十囘帝國議會衆議院での演説、1897(明治30)年2月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,488 字 · 7 页

青空文庫

それ故にこの外交の有様というものはよほど変化して来た。

ご承知の通りに、昨年起ったところの英国と「ベネズエラ」との問題について見るに、英国は世界無比の大国で、世界に日の歿すること無き広大なる植民地を持っているという大国と、南亜米利加の「ベネズエラ」という小さな共和国との間に、境界の争議が起った。而かもその争点は全く沼池である。無人の地であるというが如き処に境界争いが起ったのである。諸君、御考え下され。これはなんでもない話、英国の力、英国の強を以て、弱小の「ベネズエラ」に及ぶ。なんでもない話であるが、なかなかそうは往かぬ。直ちに北米合衆国よりこれに向って干渉が起って来た。そこで英国と「ベネズエラ」の問題に非ずして、南北亜米利加と英国の問題になって来たのであります。それに干渉する言葉にどういう言葉を用いたかというと、ご承知の通りに、随分古くから成立っているところの「モンロー」主義、南北亜米利加に欧羅巴の勢力を拒絶するという一つの主義を持込んだのである。ここに於て南北亜米利加と英国の問題に非ずして、世界の問題になったのである。如何となれば欧羅巴の勢力を入れぬという如きことであれば、直ちに重大の問題に変じて来るからである。