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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
リーロフは、海中にとびだしたのだ。これを見ると、太刀川は、扉のかげから姿をあらわした。
「さあ今だ。今でなければ、海底要塞をとびだす時がない」
彼は、戸棚から、のこる潜水服の一つをおろし、さっきリーロフがやったとおりそれを体につけた。それは思いの外、らくらくと着られた。最後に大きな潜水兜をかぶり、円柱を開いて、その中に入った。
その円柱の壁には、番号のついたボタンがあった。それを一つずつ押してゆくと、円柱はひとりでに閉じ、やがてしゅうっと圧搾空気の音がしたかと思うと、彼の体はどーんと上にうちあげられた。
ぐらぐらと目まいがした。気がついてみると、彼はすでに海水の中にあった。いや、海底にごろんと横たわっていたのだ。
「おい、なにをぐずぐずしているのか。はやく向こうへならばなければだめじゃないか」
腰のあたりをけられたので、彼はしまったと思いながら起きあがった。ふしぎにも、水中で相手のいうことが聞える。超音波を利用した電話が、この潜水兜の中にとりついているらしい。
「おい、はやく行け。おくれると、後でほえ面をかかなければならないぞ。水中焼切器は向こうにある。