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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
秘密通路にながれこんだ石油は、どうなるか――まずあの監禁室にはいり、それから扉のすき間から外へあふれだし、やがて川のようになって、廊下をながれ、中央発電所の空気窓から、滝のようになって中へとびこむだろう。いや、海底要塞の中、いたるところ、石油びたしになってしまうだろう。
そのとき、火薬が爆発して火がついたら、どういうことになるか?
まさに、たいへんである。この世のものとは思えない、おそろしい大爆破だ。――わが太刀川がねらったのはここである。
「ああ、あと三十秒だ! 神よ!」
と、ダン艇長がうめくようにいった。
「さあ、水面にうきあがるぞ。島だ。カンナ島だ!」
太刀川は、ハンドルをきりきりとまわした。あっという間に、水中快速艇は、どしーんと、海岸の砂にのりあげた。
そのとたん、ダン艇長は、艇から、あやうくなげだされようとした。
十二分はすぎた。時間だ。
太刀川は、操縦席から、どさりと砂浜のうえになげだされたが、すぐさまはねおきて、月光にうかびあがる大海面をふりかえった。
(はてな?)
太刀川は、もう立っていられなくなって、ふらふらとそのまま尻餅をつこうとした。