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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
その時、前方の海面が、ぱっと、真昼のようにかがやいた。太刀川が生まれてはじめて見たものすごい明るさだった。
「あ!」
というさけび、ついで、まっ赤な焔が、天をついた。ゴ、ゴ、ゴーッ、ドドドーッ、バリバリバリッ。
天地もくずれるような大音響! ひゅーうと、嵐のような突風が三人の頬をうった。大地は、大地震のように、ゆらゆらとゆれた。三人は、砂上にはった。その上を、どどーんと、大波がとおりこしていった。大爆発によって生じた津波が、カンナ島にうちあげたのであった。
「とうとう、やった。海底要塞の大爆破だ……」
太刀川がさけんだ。
ごうごうの爆音は、それからまだ十四、五分もひっきりなしにつづき、閃光はぴかぴかと夜空にはえた。
海は一面、すさまじい焔が、もえひろがって、ものすごくかがやいている。
砂上にたちつくしている太刀川の頬を、あつい涙が、はらはらとつたわっておちた。
思えばあやういところであった。もしも一隻の恐竜型潜水艦が、太平洋へとびだしたとしたら、こんなことではすまなかったであろう。日本の海軍は、世界にほこる強大な海軍であるが、怪力線砲をもつ恐竜型潜水艦の威力も、われわれは、わすれることはできない。