轻松读懂日语经典作品
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めおとのあさ
夫婦の朝
山本 周五郎
「婦人倶楽部」大日本雄辯會講談社、1941(昭和16)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,008 字 · 22 页
「申し上げます。唯今、見知らぬ使の者がこの書面を持参致しまして、奥様へお眼に掛けて下さるようと申しまするが」
「私に……」
お由美はさっと顔色を変えた。
受取って見ると表には姉上様とあり、裏には半之助と認めてあった。分りましたと家士に答えてそのままふところへ入れようとすると、
「……半之助からだな」
と三右衛門が見咎めて云った。
「披いて読んで御覧」
「はい、でも後でわたくしが……」
「読んで御覧」
静かではあるが拒むことを許さない声音だった。……お由美は震える手で封をひらいた。
なんとも申訳ありません、頂いた金子で直ぐに上方へ出立する積りだったのですが、滞っている借銭などを払っている内に足りなくなりふと魔がさして博奕場へ入って了いました。旅費だけ拵える積りだったのが逆に五十両負け、退引ならぬ場合に立到っています。明朝十時までに此金が出来ぬと繩目の恥辱を受けなければなりません。姉上……真に申訳のないことですが……
「矢張りいけなかったか」
みなまで聞かず三右衛門は立った。
それっきりで後はなにも云わず、大剣を差して出る良人を、お由美は玄関へ送って出たが、そのまま暫くのあいだ其処に茫然と居竦んでいた。