轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうじんぶつ

好人物

佐々木 邦

「婦人画報」1925(大正14)年5月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,609 字 · 107 页

青空文庫

と安子夫人がおっ被せて、形式は略終った。

お茶が出て世間話になったが、橋口夫人は清君の存在を無視せずに、

「坊ちゃん、お退屈でしょうからお相手を呼びましょうね」

と気を利かして同い年の長女に出仕を命じた。間もなく可愛らしい洋服姿の八重子さんというのが絵雑誌を抱えて出て来た。これが七三か耳かくしで、小説を手にして現れる年頃だと、同歳でもお相手はさせられない。同僚の息子さんにも不良性を帯びたのがいないに限らないから、娘は殊更匿して置く必要がある。然るに五つか六つだと安心して、

「八重子や、これは内藤さんの坊ちゃんですよ。仲よく遊びなさい」

と言える。尤も令息と令嬢は無邪気な丈けに年頃の男女ほど然う直ぐには馴染まなかった。少時の間お互に、こんな変な子があるものか知らといったように珍らしがっていた後、八重子さんが思い切って絵雑誌を相手の鼻の先へ突き出した。そうして、

「コドモノクニね?」

「えゝ」

というを機会にもう別懇になってしまった。

その間に大人連中は大分話し込んだ。

「町人と違いまして、まさか義太夫や長唄は唸れませんと主人も申して居ります。それに町家の音曲は何ういうものか淫靡なところがございまして、迚も私共の家庭には入れられませんからね。