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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
07 飛騨・高山の抹殺――中部の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,650 字 · 54 页
時にはあんまりツジツマが合いすぎて、却って恐縮せざるを得ぬほどピッタリとヌキサシならぬ一致を示していることもある。何千年前の神話がそうピッタリするのも困るものだ。
ところがヒダに至っては古代史上に重大な記事が一ツもない。だから古代史や神話と表向きツジツマの合うところは一ツもないのです。そのくせ、古代史家がヒダの史実を巧妙に隠そうとして隠し得なかったシッポらしきものを発見しうるし、その隠された何かをめぐってヒダとスワに特別なそして重大な関心が払われ、その結果として古代史上にヒダに関する重大な記事が一ツもない、そういう結果が現れたのではないかと疑うことができるのです。それは恐らくヒダの史実があまり重大のせいではないためでしょうか。
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古代史家が隠しても隠しきれなかったのは何かというと、まず第一に古代の交通路です。たとえば日本武尊の東征の交通路などを見ると分りますが、上野ノ国からウスイ峠をこえて信濃へはいってヒダへ出たのは木曾御岳と乗鞍の中間の野麦峠のようだ。この峠のヒダ側は小坂の町です。
推古三十五年(西暦六二七年)に群蠅が十丈ばかりのタマとなり雷鳴のような音をたてて信濃坂をこえ東方上野の国へ行って散ったとある。