轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
03 小桜姫物語
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,097 字 · 267 页
帰幽後私の暗い暗い心胸に一点の光明が射したのは実にこの時が最初でございました。
祖父はさまざまに私をいたわり、且つ励ましてくれました。――
『そなたも若いのに歿なって、まことに気の毒なことであるが、世の中はすべて老少不定、寿命ばかりは何んとも致方がない。これから先きはこの祖父も神さまのお手伝として、そなたの手引きをして、是非ともそなたを立派なものに仕上げて見せるから、こちらへ来たとて決して決して心細いことも、又心配なこともない。請合って、他の人達よりも幸福なものにしてあげる……。』
祖父の言葉には格別これと取り立てていうほどのこともないのですが、場合が場合なので、それは丁度しとしとと降る春雨の乾いた地面に浸みるように、私の荒んだ胸に融け込んで行きました。お蔭で私はそれから幾分心の落付きを取り戻し、神さまの仰せにもだんだん従うようになりました。人を見て法を説けとやら、こんな場合には矢張り段違いの神様よりも、お馴染みの祖父の方が、却って都合のよいこともあるものと見えます。私の祖父の年齢でございますか――たしか祖父は七十余りで歿りました。白哲で細面の、小柄の老人で、歯は一本なしに抜けて居ました。