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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

同業者の好誼というものがありますからね」

「成る程。ありがとう。してみると貴下はユリ子の言葉を信じておられるのですね」

「あれ程の容色を持った女が無意味に死ぬものとは思われません。余程の事がなくては……」

「つまりその白鷹という人物と、僕とが、二人がかりで姫草ユリ子を玩具にして、アトを無情に突き離して自殺させたと信じておられるのですね……貴下は……」

「……ええ……さような事実の有無を、お尋ねに来たんですがね。事を荒立てたくないと思いましたので……」

「貴方は姫草ユリ子の御親戚ですか」

「いいえ。何でもないのですが、しかし……」

「アハハ。そんなら貴下も僕等と同様、被害者の一人です。姫草に欺瞞されて、医師法違反を敢えてされたのです」

相手の顔が突然、悪魔のように険悪になりました。

「怪しからん……その証拠は……」

「……証拠ですか。ほかの被害者の一人を呼べば、すぐに判明る事です」

「呼んで下さい。怪しからん……罪も報いもない死人の遺志を冒涜するものです」

「呼んでもいいですね」

「……是非……すぐに願います」

私は卓上電話器を取り上げて神奈川県庁を呼出し、特高課長室に繋いで貰った。