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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页

青空文庫

朝になって人員点呼を行うと、また八十人ふえている。私が所長の元野さんに機構役員編成替えの話を持ちだしたので、すぐ協議がひらかれた。みんなものわかりがよく、あらゆることが片っぱしから解決されてゆく。結局、全員を十名乃至二十名ずつに分けて班をつくり、各班で班長一人を選び、飯の配給等は一切班長が掌ることになった。今となると外部から食糧の補給を行うことは絶対に不可能である。こんなときには突拍子もないことを考えるものは一人もなく、唯普通のことが極めてあたり前に行われてゆく。たとえば、長期籠城となる場合にいかなる方策をとるべきやという提案が出ると、まず第一に食料のことが問題になる。それには残った数量を計算して、最低の配給量を定めるよりほかに方法はない。一時間ちかい討論の後、握り飯が今日から一食一個宛ということになった。

協議が終ってから、自分の寝台でぐっすり眠ったのは一時頃であったろうか、――やっと五、六分も経ったと思う頃、轟然たる爆音で眼がさめた。一瞬間、天井も壁も粉微塵になったかと思われた。眼がさめても、まだ硝子戸がゆれている。――強い陽ざしをうけた庭にはおろおろと動いている女たちの姿が、眠りから醒めたばかりの私の眼に豊かな色彩を湛えて眩しく映った。