轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页

青空文庫

それは日が暮れてから夜になるまでの僅かな時間に過ぎなかったが、しかし、じっとして窓にもたれていると、ひそやかな幻想の中に身体がうきあがってゆくような気がするのであった。この屋根裏には私の部屋にならんで、ほかに二つの部屋があった。私の隣りの部屋には四十を少し越したばかりの関西生れの落魄れた相場師が住んでいたが、その次ぎの室――それは奥の暗い物置に続いていた――には六十近い一人の老人が住んでいた。そして私は間もなく隣りの室にいる相場師と知り合いになった。彼は長い間自分を訓練してきた迷信的な宿命観のために突発的な偶然があまりにも悲惨である彼の不幸な敗残の生涯を一変させるときのくることを信じていた。こういう物質的なロマンチストの多くがそうであるように、この哀れな相場師もまた彼の生活が惨めになるにつれて、進んで彼自身を世間から遠ざけようとしているように見えた。同じ屋根裏の四階ではあるが、彼の部屋はたった一つの細長い窓が、高い倉庫の壁によって遮られているので、太陽の光は何処からも入ってこなかった。うす暗く、陰惨な部屋の空気は古びて淀んでいた。こういう部屋になまじっか窓のあることは全く無いよりは一層悪い。