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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
尾崎士郎『尾崎士郎短篇集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋風と母、運命について、河鹿、菎蒻、三等郵便局、十三夜、鶺鴒の巣、滝について、叛骨・中野正剛、蜜柑の皮。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 页
時を同うして、永井柳太郎も、郷里の金沢から立候補し、次点で落選した。両者ともに選挙が終ると、それぞれ別の意図をもって外遊の途にのぼった。
しかし、最初の選挙に敗れたことは、かえって中野の人気を沸騰させ、特に進歩的な立場をもつ青年層の彼に対する支持は全国的にひろがっていった。
これは永井の場合と、まったく符を一にしている。金沢では永井の落選と、彼の反対の立場に立って、対立候補者である財閥の雄、中橋徳五郎を後援したH新聞社が暴徒によって焼打ちされた。
両者のうけとった運命は、外見的には、まったく共通しているが、しかし、仔細に点検すると、中野を支持する空気と永井を支持する空気とのあいだには相当に大きな開きがあった。
この二人の運命の、もつれてゆくすがたはそれだけで、大正、昭和をつなぐ時代を背景とする一篇の小説であるが、永井が年毎に、政治家的な機略と、終始一貫して、時の大政党である憲政会(民政党)を背景にして、政権に近づき、彼の理想を政策の上に実現する機運にめぐまれようとしているとき、中野は、無所属倶楽部を結成して、少数派の立場を遵守し、もっとも尖鋭的な改革派としての主張をつらぬきとおした。