轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くずれるおにかげ
崩れる鬼影
海野 十三
「科学の日本」博文館、1933(昭和8)年7月~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,100 字 · 69 页
私はあたりをキョロキョロ眺めながら歩いてゆくので、幾度となく線路や枕木に蹴つまずいて、倒れそうになりました。
隧道の入口に近づいてみますと、昨夜とはちがって白昼だけにその惨状は眼もあてられません。崩れた岩石の間から、半分ばかり無惨な胴体をはみ出している機関車、飛び散っている車輪、根まで露出している大きな松の樹など、その惨状は筆にも紙にもつくせません。しかし幸いにも、一向あとから掘りかえした跡もありません。まず西口は大丈夫だということがわかりました。
一行はなおも隧道の全体にわたって異状がないかどうかを調べるために、崩れた崖をよじのぼって、隧道の屋根にあたる山の上を綿密に検べてゆくことになりました。
「どうやら大丈夫のようだね」
「すると化物は、皆この足の下に閉じこめられているというわけなんだな」
巡視隊の警官も、さすがに気味わるがって、足音をしのばせて歩いていました。
「オヤッ」
「オヤ、これはどうだ」
「オヤオヤオヤオヤ」
安心しきっていた一行は、急に壁につきあたりでもしたかのように、立ち止りました。私も遅れ馳せに駈けつけてみましたが、鳴呼これは一体どうしたというのでしょう。