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へいまとうぐいす
平馬と鶯
林 不忘
「少年倶楽部」1927(昭和2年)2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,130 字 · 21 页
その憂慮に堪えんからこそ、今宵御一同にお集りを願って、あらためて平馬どのに特別に自重用心なさるようお願いしたわけだが――」
「ところが平馬どのがわれわれの注意を鼻であしらって、いっこう意にとめて下さらんのは、いささか心外」
「と、申したところで平馬どのぐらいの腕があれば、それくらいの自信はけっして無理ではない。なんら無謀ではないのだ」
「と、いって、敵は朝夕つけ狙っているし、平馬どのは平気だし、これは困ったことができたなあ――」
こう言ってみんなが考えこむと、すぐに平馬の声があとを引き取って、
「各々方の忠言、まことにありがたい。ありがたくはござるが、この平馬、下妻のやつらなど少しも恐れてはおりませぬ。先方が仕合前に、そんな小策を弄して拙者の出場を邪魔だてしようというのなら、拙者にも考えがござる!」
「考えとは、どういう考えです?」
「ほかでもござらぬ。そんなにやつらが、拙者を狙っているなら、今宵これから拙者が単身下妻の城下へ乗り込んで、大通りにふんぞりかえって、眠って見せてやろうと考える。朝になればどうせ拙者を見つけて、大さわぎをするであろうが、そこで拙者が、眼を擦りこすりむっくり起き上って、下妻城下のやつらを白眼みかえして帰って来るのだ。