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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

と塩田大尉はかたくなって聞いています。

「それはね、大利根博士にぜひ会ってくださいって。そして大利根博士の体に、なにか変ったことがあるかないか、ぜひともそれを調べておいてくださいって、いってましたよ」

「ふん、ふん。大利根博士に会えというんだな。そして博士の体に変ったことがないか調べてみろといったんだね。うむ、よくわかった。やっぱり帆村君は、なかなかの名探偵らしいぞ」

と、塩田大尉はなにごとかをひとりでもってしきりに感心していました。なにか大尉の胸におもいあたることがあるのでしょう。

一彦少年の、怪塔にとじこめられていたあいだのこまかい話は、それからそれへと、なかなかつきませんでした。

怪塔から発せられたあの無線電信は、やはり帆村探偵が出したものであることがわかりました。どうしてまた無線電信機を手に入れたのかと、大尉はびっくり顔でありましたが、一彦の語るところによると、帆村は一階のあのがらくた倉庫の中から、一つの壊れたラジオ受信機をさがし出し、その配線をかえて短波の送信機になおし、幸に切れていなかった真空管と電池があったので、あの通り送信がやれたのだそうです。