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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

それはどうもとっぴな答だ。あっはっはっ」

司令官は、思わず笑いました。

「でも、そうとしか考えられませんもの」

「しかしだ、一彦君。博士は、われわれの尊敬している国宝的学者だし、それにひきかえ怪塔王は、わが海軍に仇をなす憎むべき敵である。その二人が同じ仲間とは、ちと考えすぎではあるまいか」

「でも、そうとしか考えられませんもの」

一彦少年は、いつに似ず、たいへんがんばっています。

「だがねえ、一彦君」

と、こんどは塩田大尉が、口をひらき、

「君のいうように、もし怪塔王と博士とが、同じ仲間だとすると、博士のズボンが血ぞめになっているのが変ではないかねえ。なぜといえば、仲間同志で殺しあうなんてことは変だからね」

「あれは、怪塔王が僕たちをだますためにやったのだと思います。怪塔王が博士を殺したとみせかけ、実は――実は。――」

と、一彦少年は、その先をいおうか、いうまいかと、息をはずませました。

兵曹長の蘇生

1

小浜兵曹長は、どうしたでしょうか。

大暴風の中を突破して、やっと陸地をみつけて海岸に不時着した兵曹長は、そのまま、機上に人事不省になってしまったことは、皆さんおぼえておいででしょう。