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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
そしてどこまで行くのか、袋を肩にかついだままとぼとぼと浜づたいに向こうへいってしまいました。
「ミチ子、いまのお爺さんの顔を見た」
「ええ見たわ。口が狐のようにとんがって、ずいぶんおかしかったわ。兄さんも見たの」
「うん、僕も見たとも。笑いたくてね、それをこらえるのにとても困っちゃったよ。あはは」
「おほほほ」
「ミチ子、ちょっと兄さんが真似をしてみせようか。ほら、こんな具合に――」
と、一彦が口をとがらせ、腰を曲げてよぼよぼと老人の通った砂の上を歩いてみせますと、ミチ子はおなかを抱えて、ほほほほと笑い転げました。
ミチ子はあまり笑いすぎて、息ができないくらいでしたが、そのうちに兄の一彦があまり静かにしているので、はっと思いました。
「兄さん、どうしたの」
一彦は返事もしないで、腰をかがめてじっと砂の上を見つめています。
「ミチ子、来てごらん。変なものが――」
3
「ミチ子、来てごらん。変なものが――」
という一彦の声に、ミチ子はいきなり胸をつかれたようにびっくりし、兄のそばへとんでゆきました。
「ほーら、こんなものが落ちている」
と一彦が指さすところを見ると、砂の上に妙な形をした鍵が一つ落ちていました。