轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あくりょうものがたり
悪霊物語
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」講談社、1954(昭和29)年9月増刊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,207 字 · 17 页
死骸ですよ。断末魔です。知死期です。わたしの自慢の作品ですよ」
土色の男のからだであった。目が血ばしって赤く、唇がまっ青だった。頸から胸にかけて、黒い血が凝固していた。頭にも胸にも腿にもほんとうの毛が植えてあった。
「これもほんとうの人間から型を取ったのですか」
蘭堂は声が震えないように用心しなければならなかった。
「そうです。生きた人間からです。まさか死骸からではありませんよ」
伴天連爺さんは、そういってから、フフと笑った。
その次には、皮膚病の半身像や、変てこな局部像が、いろいろ並んでいた。並んでいるというよりは、ころがっていた。ひどく生き生きとして、今にも動き出しそうなものもあった。
「このつぎに、面白いものがあります。蝋燭を消しますよ。でないと、感じが出ないのです」
フッと火が消えて、まっ黒なビロードに包まれた感じであった。突然めくらになったように、まったく何も見えなかった。
「さア、両手を出して、さわってごらんなさい。目で見てはちっとも美しくないけれども、手でさわれば、たまらない美しさです。わたしが考え出した類のない美術品です。ですから、夜をえらんだのですよ。