轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あくまのせいだん
悪魔の聖壇
平林 初之輔
「令女界 第六巻第一号」宝文館、1927(昭和2)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,931 字 · 10 页
ふと見ると前に射的場があります。私はぼんやりその前にたって見ていました。敷島やバットやキャラメルなどの箱が積み重ねてあって、それをコルクの弾丸で打ち落としているのです。私は肚の中で考えました。いま手許にある十五銭はこれから一度牛めし屋の暖簾をくぐればなくなってしまうのだ。ところで牛めし一杯食ったところが、数時間空腹を先へのばすだけに過ぎない。一かばちかあれを一つやってみよう。敷島を二つ落とせば三十六銭になるから、十五銭の料金を払っても結局二十一銭の儲けになるわけだ。と、こう私は考えたのです」
「私はづかづかっと中へはいりました。店のお内儀さんが、コルクの弾丸を五つ入れた盆を私の前に出してくれました。私は空気銃は得意でしたから、それにはじゅうぶん自信をもっていたのです。やがて銃をとりあげて、弾丸をこめ、ねらいを定めて一発打ちました。弾丸はどこへ外れたのか敷島の箱はびくともしません。二発目も同じでした。三発、四発も同じでした。私はもうがっかりして、自信も何もなくなって五発目はねらいもろくにつけずにうちました。ところがどうでしょう。台の上に積んであった敷島の箱が物の見事にくずれて、そのうちの二つがばらばらと両側へ落ちたのです」